甘口ピーナッツ

多めの写真やTwitterに書ききれないことを書く

夏だ水着だ重力だ! ~ワーフリ夏イベント'22感想考察記事~

はじめに

ワーフリに3回目の夏が来ました。人なら七五三、ここまで生きたことを大喜びして家族揃って神仏に詣でる回数です。ワーフリ世界において神様はどこか壊れていたり、外世界からブッ飛んだ水芸女神が着弾したりと様々ですが、とにかく喜ばしい話です。

そんなワーフリに登場するキャラのエピソードにはそれぞれバックボーンの描き方から人間的成長恰好良いグラフィックえちえち♡小ネタまでてんこ盛りなのは周知の事実ですが、中でも水着キャラにおいてはその跳ね方が凄まじく、毎年楽しみにしている人も多いと聞きます。私もその一人です。またメインストーリー第3章で主人公が訪れた「大海の世界」を舞台にしたイベントクエストも毎年開催されており、こちらも大変エモ散らかしたお話を展開しております。配慮の行き届いた福利厚生が最高のゲームですね。

つきましては私自身が読んだ感想を保管するのを兼ねつつ、どんなキャラか気になる人にとっての資料として、また既読の人の参考として、思うように書いておきたいと思います。キャラについて思ったことやイベントを読んで感じたことを書いていく感じで、逐一更新な形になります。思った感覚は何とかして言語化すると、楽しいものです。また、キャラが持つ情報に関するちょっとしたコラムや横断的な話も書いてみました。後ろの方に並べてあるので、そっちも楽しんで頂けると幸いです。

第1弾登場キャラ

発表当初から色んな意味で大騒ぎでしたね。ショウタにパルフェにピシカにユナ、魅力的なキャラクターばかりです。順に思ったことを書いていきますね。

夢見る双剣使い ユナ

揺らぎの迷宮に挑む、双剣使いの少女。困っている人を見ると放っておけない性格で、なかなか迷宮探索が進まないらしい。

ゲーム稼働最初期勢の一人。めちゃ軽いスキルウェイトと貴重な突進持ちで、一時期バラクスキルパのお供に採用していた。アビ3の直撃回数を盛る効果は雷でも希少なので、特殊なボスや特別ルールのイベントでは活躍するかもしれない。

キャラエピは初期キャラらしくシンプルに、ワーフリ世界の冒険者の何たるかを語っている。特にユナの人間性として「誰かのために笑い、誰かのために怒れる人物」をキチッと描いていて良かった。特に自分はともかく誰かを侮辱するのは決して許さないという姉御肌な姿勢に痺れる憧れる。後述のショウタ含め他の冒険者のキャラエピにも複数回登場する、準レギュラーなお姉さん。いやあ可愛い。

渚の看板娘 ユナ

お人好し少女を呼ぶ、夏のバカンス。果たして世話焼き三昧冒険者は休暇を満喫する事はできるのか。少女の爽やかな声が夏空に響く。いらっしゃいませー!

お姉さんだねえ~!!!

光フィーバーは優秀なキャラが多いけど、その中でも一つ役割を持てるくらいには良い性能。高い直撃バフに連撃に再生にと、攻撃バフを他で付けつつ運用したくなる良キャラ。

キャラエピ的にもとても良いキャラだった。恒常の方の底抜けの明るさと正義感を維持しつつ海の家で原始、太陽のように料理を振る舞い続ける姿が最高に解釈一致。顔立ちが思ってたより幼く映るからかピシカと隣に立つとなぜか妹性すら見出されて、しかし立ち振る舞いはこの上なく姉なる者で、途中で脳がバグりだすキャラ立ちでとても良かったなあ。

他人への無償の愛を示すキャラクターはワーフリ世界には多い。ユナもその一人だが、エピソード2でその無償性の是非に関して一歩立ち止まるようなシーンがあった。そこで「考えを率直に口に出す→口に出したことの意味を考える→そうして〝自分のやっていることは何か〟を確かめる」の三段の流れが実に鮮やかに描かれていて、胸がすく思いだった。エピ1の展開も中々に頷けるところがあったし、魅力あふれるキャラ、生きたキャラになっていると感じた。

にしたって腰周りのくびれ方が健康一直線すぎて逆に俗に思えないラインなの、すっげえなあ…でも太腿の食い込みを忘れないの“”って感じだ……。

ケモミミナース ピシカ

医療船『分け隔てなきケモミミ医療団』に所属する新米ナースの獣人。天真爛漫で頑張り屋。一人前のナースを目指し、今日も奮闘中。

火属性のケモミミヒーラー。アビ3の無気力無効が唯一無二すぎて対超級オロチ決戦ナースと化してる。他にも弱体回復にスキルゲージ増加にと使いやすいものを持っていて、総じてスキルパの屋台骨。いつもお世話になっています。

キャラエピの方では天真爛漫に振る舞いつつも医者として未熟な自分を自覚して、周りの大人たちはそれを理解して優しく正しく接し、アルクたち一行がピシカの良いところを引き出すように振る舞う、そういう無垢で輝く成長物語として綺麗に成立しているし、要所要所でめちゃくちゃ可愛い。絶対に『みんな』を元気にするっていうどこか幼い、だけどとても尊い思想を抱えながら一生懸命な姿が良いよね…服装がとても扇情的だね……。

余談だけどワーフリのキャラは基本的に頭が良いというか、自分の不出来な部分や抱いている疑問をちゃんと理解しているというか、無計画に突撃したりしてプレイヤーががっかりするような場面がほぼ皆無だから安心して読めてとても助かっている。みんなもキャラエピ読もうね!お世話になってるキャラからで良いから!

コラム ケモミミ団とは

海の世界で医者のリャオが船長を務める、海賊を瞬く間に制圧する武力を有した医療・人道援助活動を行う団体。正式名称は分け隔てなきケモミミ医療団。

掲げた理念は『治せるなら誰であろうと等しく治す』。海の上からも病も怪我もなくすために日夜活動し続ける。

青髪クール眼鏡猫耳なイケメン、火星5リャオが率いる医療団。医療船を率いる特攻隊長めいたリャオを中心に、敵味方問わず救助活動を続ける組織。結構色々なエピソードで触れられたりするので、案外知名度は高そう。なぜケモミミなのかはリャオのキャラエピを当たるか、星見の図鑑でログキーを使って読もうね。

元ネタは恐らく『国境なき医師団』。活動の原則に「独立・中立・公平」を掲げて医療が必要な全ての人々を救おうとしていて、おまけに「機動力」が武器としている。ケモミミ団も爆速で海賊民間関係なくブッ治しているので、精神的にだいぶ近い。ちなみに似たような活動をしている赤十字は緊急救助活動に加えてその後の長期的な支援を主眼に分派した組織なので、ちょっとだけ役割が違うそうで。世界の解像度が上がるぜ。

www.msf.or.jp

真夏の満開笑顔 ピシカ

ケモミミ団の新人ナース。学びと成長の毎日だが、今回はバカンス!青い夏空の下、友達と全力で遊び、新たな出会いの中で少女は笑顔を模索する。

かわいいねえ~~!!!!!

恒常の方はルーズな服装とあどけない表情からどこか幼く見えてたけど、水着を着てみると手も足も長くってでも表情は幼さを残していて〝狂い〟が溜まるね。ペディキュアをイメージカラーのピンクに揃えていて大人らしく、しかしお腹周りの肉付きは第二次性徴性能の過渡期を感じて本当に頭がおかしくなる。誰か助けてくれ。性能もいい感じよ。

キャラエピの方では「みんなを元気にしよう」というスタンスと10章渋谷事変とを絡めた丁寧な作りが拝めた。確かにウォルンタスとの交流でも色々考えることが多かったし、こういう底抜けに明るい、そして誰かが明るいことを心から喜べる人ってとても大事だと思う。ショウちゃんは…まあ……。

ちなみにエピ3はイベントチェックが働いていたのでほぼ未読。ちょっとだけならと思って軽率に開けたら開幕ド直球を喰らって壁に叩きつけられた

魔物料理人 パルフェ

世にも珍しい魔物を食材として使う魔物料理人。彼女の料理は絶品だが、そのグロテスクな食材のせいで一般の人々からは強く忌避されている。

超絶最初期のイベント配布キャラ(サイドストーリー実装済み)。自己バフと回復を繰り返しながら渾身を維持して相手をシバくアタッカー(分類は何故かヒーラー)。スキルの特効要素やアビ6の内容を鑑みるにキャラクター性を再現しようとした感じで、面白い性能をしている。

キャラクターは全体的に振り回していく系というか、自分が感じたインスピレーションを突き詰めていこう、どんどん料理に反映していこうって信条が一貫している気持ちの良い人物。自分が好きなことが一般に理解されないことをちゃんと理解した上で突き詰めようとするし、主人公勢が理解を示すと打って変わって嬉々としちゃう、無邪気さがいっそ心地よい。パルペブラの町にあって最も「挑戦」という言葉が似合うし、一番最初の配布キャラに選択されたのも何だか納得しちゃう。

アルクの師匠、水星3シラノと並んでアルクが「料理」というものと真剣に向き合おうとする原動力となってる重要人物。エピ2で料理大会に出場した際にボロボロと涙した理由が魔物料理人ってコンセプトと相まって大変ワーフリらしくて、とてもとても好きです。ついでにそれを最初に看破したのが他でもないステラだってところも最高。みんなもキャラエピ読もうね!

コラム「ヴァレント・フェス」概要

甘いお菓子が並ぶ祭典『ヴァレント・フェス』の準備で賑わうパルペブラを訪れるアルクたち。そこでプ・リリエと遭遇しパルペブラの危機を救ってほしいと依頼される。

料理人が素材を集めて料理大会に出るからそれを護衛しよう、というシンプルな構造のお話し。ステラがハナからノリノリで段々とアルクがほだされ、それをライトとシロが危惧するといういつもの様式美が出来上がっている。パルペブラなどの世界観背景もちらほら語りつつ、キャラクターの動き方や精神性の解像度が既に伺えるし、何より主人公であるアルクが今も大事にしている「料理」というコンテンツをメインに扱っているところから、ある種のプロローグ的な意味合いもあるんじゃないかとも思った。とにかく綺麗にまとまった良いストーリーなので、一読すると良いと思いました。

ちなみに大ボスの鳥類が暴れだす最後の決め手が「新型ゴーレムの起動核」だったりする。一つ前のクリスマスも雪像ゴーレムの暴走だったし、ゴーレム周りが一悶着起こすのは最ッ初からパルペブラの様式美だった…ってコト!?

これにはウォルンタス魔術学院ゴーレム部部長もにっこり

ちなみに当時はマルチ環境が整備されていなかったので、イベントボスは「めちゃ体力のある大ボス(パルフェ製異常チョコ鳥類)を ソロで 一生刈り続ける」というDMMゲーもかくやというイカレた代物に仕上がっていた。マルチで貯めた武器で俺ァソロボス倒すのか!?って驚きが凄かったし、だからこそ次に来たイベントが色んな意味で大いに評価されたのも頷ける。ありゃあ大変だった、あれも歴史だ。

夏の海魔料理人 パルフェ

海魔への理解を深めるべく大海原に繰り出した魔物料理人。いかなる時でも料理ができるよう夏の海であってもエプロンを外す事はない。

エッチですねえ…。Twitterなどで散々語られていたけれども、ビビッドな水着に純白丈短エプロン、太腿には光沢が艶めかしく、極めつけは通常立ち絵で横乳を出してからの覚醒絵で「エプロンの向こうの下乳」をガッツリ32ピクセル分描画してること。マジで誉め言葉として描いた人は最高の異常者だと思うし、差し入れを贈りたいからどこの拘置所にいらっしゃるか教えてほしい。

加えて言うなら、そういう目でみちゃいけないよなあと思ってたら本人自ら「男を釣ってこようかしら」とか爆弾発言を繰り広げていたので、これは自分の魅力を〝理解〟しているタイプの美人のお姉さんなんだと思います。パルペブラってそうなのお!?性能もとっても良い感じ!

水着を纏っても基本姿勢は変わらず、やりたいことのために一直線だし、海魔に寝込みを襲われても飄々としているし、人格が陶冶されてて力強い。ロックによりエピ3は読めてないので、そこはまた楽しみにしたいところ。にしてもユナでも思ったけど、本当に最初期キャラかってくらい人格も魅力も抜群に詰め込まれてるなあ、すごいなあ。

浴衣レオンでも思ったけど、ワーフリの絵って記号化と誇張と整合性とのバランスが異常にうまい絵ばっかりですよね。一枚絵の中に小物を散らしても全くゴチャつかないし、立ち絵の中にも情報量が目白押し。出すところは出すぞと言わんばかりに煽情的な部分はマルチボールをガッツリ出すし、じゃあ出っ張りすぎてたりするかったらそんなことはない。水着キャラ陣営は特にそういう傾向あると思ったし、マジで設定資料集出してください~~電子版でも嬉しいし、物理媒体で来たら万々歳です~~!!!

重力の能力者 伊野里ショウタ

伊野里翔太、高校二年生、16歳。変わらぬ世界と関係を望み、変貌してゆく街と人に怯えていた、まだ自分の強さを知らなかった少年。

ワールドフリッパー10章「終局の始原」と同時にリリースされたキャラ。我々が住む日本、東京は渋谷との融合の果てに来訪した、アルク≒アユムの友人。かなり若者目線というか、自己中心性や嫉妬や僻みや自意識の発露を遠慮なく行うタチに映る。メンツにこだわるきらいもあるし、比較的低俗な流れにもウェイウェイと乗っかる軽薄さもあり、総括して様々なキャラから事あるごとに「そういうところだぞ」とたしなめられている。かわいい。

こういったキャラ立てにした理由は一重に、アルク≒アユムの微妙な立て方にあると感じる。則ち主人公の宿命であるアルクの聖人っぷり、ある種「自己の無さ」とも言えるような利他性を引っ剥がすために対等で俗な声掛けを行い、そうすることでアルクは自然とアユムになる。星見の街にもユーウェルやアドーニとアルクと比較的対等に振る舞える人物はいるが、ここまでアルクの生のままを引き出すためには、それだけの引力が必要だったのだろうなあ。得難い友人だ。

確かに性根が弱いけれど、ただその現状を悲哀するだけじゃなくてそういう〝弱さ〟を自覚して受け入れて、その上で何かをしようと必死にもがく人間性は非常に尊いと感じるし、ユキやアユムと三人で友人関係を結べていたのにも合点がいく。夏の肩書きで「ヒーロー」と冠されたのにも頷ける話しである。ウザいけど憎めない。ショウちゃん、良いキャラです。

コラム 重力とは何か

ところでショウタは「重力の能力者」と銘打たれ、かっちょいい紫色の力場に包まれたり飛ばしたりしながら活動している。しかしこういったように振る舞う重力を我々は見たことがない。勿論ゲーム的色付けによるものである、見えるように演出されているのも含まれているのはそうにしても、そもそも重力の挙動とはどういうものだったか?専門書を紐解きながら簡単めにまとめたので、良ければご一読いただきたい。なお常体と敬体がゴッチャになるくらいに長くなったので、本当に良ければ、ご一読ください。

ニュートンから始める重力の考え方

改めて重力とは何か。ニュートンがリンゴを見て万有引力、万物が有するお互いに引き合う力を発見してからおよそ半世紀、彼が編んだニュートン力学を更に発展させたアインシュタイン特殊相対性理論によって光速をも交えた体系を作り、次いで一般相対性理論によって重力をようやく位置付け、そんな力を伊野里ショウタは行使しています。

彼が使う重力という力が一体どういう性質のものなのかを、少し書いていきます。上にも書きましたがかなりざっくりとした内容になることをご容赦ください。ちなみに結論を先に書くなら、重力とは「時空間の歪曲」に他なりません。どういうことでしょうか。

重力を整理する

重力、というものを皆さんどういうものだと感じているでしょうか。まず重力とは本来弱々しい力です。クリップを小さな磁石で持ち上げようとすればいとも容易く逆らえますし、物と物とを常に繋ぎ合わせる電磁気力よりもさらに弱い、微弱なものです。皆さんも腕を挙げようと思えば上がります。重力が筋力で振り払えるほど小さいことの証左です。

一方で重力は、常に働き続けている力でもあります。重力には他の力と違い斥力が無く、常に我々を等しく引っ張り続け、物を地面に維持したり体重計の目方を回したりしています。その力は質量の多寡によって決まるため理論上私とスマホは互いに引き合う関係にあるのですが、大抵の場合は我々に一番近い大質量物体、俗に言う地球に引かれる力を以て重力と呼びます。このようなどんな時も我々の傍にあり続ける小さな隣人である重力、これはアインシュタインをはじめとした多くの科学者を悩ませてきました。

そもそも重力は大変不思議な挙動をしています。例えば皆さんの手元のスマホを真上に投げ上げたとしましょう。中空に放り出されたスマホに働く重力は一旦かき消され、頭の上のどこかで一瞬ピタリと働かなくなり、その後重力加速度に従って急速に力を増していきます。これは磁力などではそうはいきません。磁力も何もかも、一般の力とはそう簡単に消えたり増えたりしません。重力だけが、引き合う力だけがこのような奇妙な挙動を示します。

重力は〝幻想〟だ

これはエレベーターに乗る人を考えると面白いことが言えます。例えばエレベーターの中で体重計に乗ってみると箱の動きによって体重が増減しますし、ケーブルがプツリと切れて自由落下になると、観測者である我々は「重力が無くなった」と感じます。一般に我々を引っ張り続ける地球は確かにそこにあるのに!

このような様子のことを物理学者の大栗博司は〝幻想〟と表現しましたが、まさしくその通りだろうと思います。常にそこにあるはずなのに非常に曖昧な力、我々の観測次第で出たり入ったりする不思議な存在、それがショウタが操る「重力」というものの性質です。

~ここで「ワールドフリッパー世界では重力が我々の世界と同じような挙動である」という前提について定義すべきかと脳裏をよぎりましたが、考えないことにします。我々と同じ体格の生物がいて似たような建築その他があるゆるふわ文化圏だから、物理法則一般も多分一緒でしょう~

速度と光とアインシュタイン

ではこの不思議な力は一体何なのか。これを語るには一般相対性理論の話をする必要があり、芋ヅル式に特殊相対性理論、光の速度、速度の合成則の辺りまで遡る必要があります。たぶん高校物理くらいの内容でしょうが、語るためにはどうしても必要なのです。ご容赦下さい。

ニュートン力学においては「速度の合成則」が成立しています。時速20kmの車の中で進行方向に時速80kmでボールを投射したら時速100kmになるっていうアレです。このような速度の足し算引き算は我々が生きる空間で一般に成立している法則であり、小学校算数は当然の前提として扱われていました。もしかしたら中学高校の物理の時間で丁寧に扱った方もいるかもしれませんね。

一方で「光の速度は不変」ということを、マイケルソン=モーリーが証明してしまいました。これが何がマズいか。簡単に言うなら「光には速度の合成則が働かない」ということが明らかになったわけです。速度と速度は足し引きが出来る可変なものだと折角ニュートンが言ってのけたのに、光は勢いを付けて発射しても速度が変わらない、合成則の例外だとわかってしまいました。

時間や空間が一定であるのに光速という常在不変の速度を認めるわけにはいかず、しかしそれが実証されてしまった以上、新しい物差しを用意するほかありません。科学はこのような証明と反証の連続によって発展してきました。ありがたいことですね。

このようにして発想されたのが、アインシュタインの功績として高名な「特殊相対性理論」です。ウラシマ効果や電車に乗ったヒトの絵などで馴染みのある方も多いのではないでしょうか。この理論を非常にざっくりと言うならば「光速が一定である」ことを前提に置き「時間や空間が変動するのである」とするものです。先ほどまで時空間は不変のものとして扱ってきましたから、これが余程の革命、コペルニクス的転回の最たる例であることがわかりますし、およそ我々の実感覚とかけ離れています。時空間が変動するとは一体どういうことでしょうか。

特殊相対性理論の骨子

例えば先に書いた、相対性理論にまつわる有名な思考実験であるウラシマ効果を考えましょう。これは光速に限りなく近づいた直線運動をする宇宙船は時間の流れが遅くなるというものです。宇宙船に双子の片割れを乗せたら帰ってくる頃には地球の片割れと年齢が違う、という双子のパラドクスという名前でも有名ですね。

この現象を考えてみると二つ、「時間の歪みを光速が引き起こしている」こと、「時間の流れは絶対的なものではなく観測者によって違う相対的なものである」ことがわかります。ウラシマ効果をなるほどと理解するならば、我々は時空間が歪みうるものであることを了解しなければなりません。これがどう重力と絡むのか。もう少しだけお付き合い下さい。

特殊から一般への移項

先の特殊相対性理論の話は文字通り「等速直線運動をする物体」という極めて特殊な条件下での話です。これを様々な力が飛び交う一般の世界に落とし込むことでもう一つの相対性理論一般相対性理論を語ることができます。そのためにはちょっとだけ、次元の話をする必要があります。上で散々空間や時間が歪むどうのと言い続けましたが、三次元空間が歪むとはそもそもどういうことなのか。ここで次元を落として二次元の世界、例えば一枚の円形の紙を考えます。この上に一つの円を描き、その中心に重い物体を置くとどうなるでしょうか。当然その紙は中心が窪み、歪み始めます。すなわち二次元空間が歪みだすわけです。

アインシュタインはここで鋏を取り出し、扇形に紙を切り取ることで釣り合いを取ることを発想しました。そうすることで紙は円錐状にはなり、物体は収まり良く入ります。ちょうどカップに入ったボールのように。しかし大変奇妙なことに、描いてあるはずの円は少しばかり小さくなっていますし、そもそも中心角が欠けているわけですから円ですらありません。このようなことが許されて良いのでしょうか。

ここで重要なのは、三次元に生きる我々が四次元を知覚できないのと同じように、二次元世界での事象を三次元で理解することは出来ないということです。見えない何かによって空間は歪み、しかし二次元に生きる人々はそれを知覚できずに「ここにある円の長さが短くなった!」とだけ感じます。このようにして円の中に欠損角を、つまり我々の知覚できないまま空間に歪みを生み出して物事の距離を縮めてしまうような質量、これこそが重力の本質なのだアインシュタインは考えました。

ブラックホールと時空の歪み

ここまでは二次元の話。これが三次元世界においてはどういう挙動を示すか。ブラックホール、というものは皆さんご存じのはずです。あれは縮退を続けて密度を増した結果大きな重力が発生した天体ですが、あの事象の地平線の向こう側から光は戻ってきません。観測すべき空間は歪み、時間もまた歪んでいます。これを表す図式として、格子状の空間でブラックホールだけが大きく沈んでいるというものを見たことがある方もいるのではないでしょうか。

あれはそれこそ三次元空間という「紙」の上で物体=重力が「沈み込んでいる」構造なわけです。そして三次元世界に生きる我々が知覚できない「切り取られ」ているものが、四次元目の軸である「時間」になります。光が届かないのも、観測すべき場所が歪んでブラックホールの向こう側の天体が観測出来たりするのも、全ては高密度高質量の物体が周囲の空間を歪め、それによって物事が届く時間や距離を変化させているのです。

付け加えるなら、我々も質量を持つ以上、お互いに重力を発生させあっています。常に重力はあらゆるものから発生し続け、強めたり打ち消したり、つまり空間や時間を曲げ伸ばしながら生きています。光速が一定である以上、我々の主観時間に合わせて空間は自由に振る舞いますし、一般相対性理論を信じる限り我々の時間は一定のものではもはやありません。

このようにして詰まるところ、重力とは「時空間の歪曲」に他なりません。物体がそこに存在するだけで時間や空間に微妙な変化を引き起こし、その時空間の変化が物体の運動に影響を与える、そういった物事を司るのが「重力」だ、ということです。かいつまみながらですが、重力の話をしました。わかりやすいですね。

この質量とは何か?を語ろうとすると今度はその質量を有らしめている存在(ヒッグス粒子と言います)を触らなければならないのですが、これがまた非常に大変に大変なので、別の機会にしとうございます。気になった方は自分で調べてみようね、物理学はいいぞ!

君がショウタで本当に良かった

ホーム画面で恒常ショウタが、

時間を巻き戻してくれ!

と慟哭しているのを見て可愛らしさに笑った人が多いでしょう。私もその一人ですが、よくよく考えこむと一転、怖気を覚えることでしょう。なぜならショウタが真に光速に近づけるほど加速をし、ついに光速よりも早い物質(タキオン粒子といいます)を手にしたなら、彼は正しく〝時間遡行〟を行うことが出来てしまうことを意味するからです。過度の重力は時空間を歪め、タイムパラドクスを発生させることすらも理論上は可能です。

ではなぜそうしないのか。たぶん自分の力の本質をそのように定義していないか、少なくとも重力を「簡単に宙に浮ける力」という解釈をしていると考えられます。人は物事を自分が解釈したように見るとソシュール辺りが言っていましたが、ワーフリ世界においても能力は

我々は互いに『そうである』と了解された共有の世界観を引用し、力を行使する。

~中略~

能力者達は他者の定義に拠らない、固有の世界をこの現実に引き寄せているのである。(星見の図鑑「能力者」の項より引用)

の通り、自己世界の拡張によって相互理解された世界に事象を発生させ、その事象の内容はには術者自身の認識が先立ちます。エピ3を見る限りきっと彼は重力を操る力を「人を助けるもの」として扱っているのが伺えます。ショウちゃんはかわいいですね。ずっとそのままでいてください。きっと君の力は世界を歪めます。

かわいいね…。

彼らのヒーロー 伊野里ショウタ

『過去に時を戻して呼べよ!』時が遡る事は無い。それでも、想いは伝わっていく。世界が危機に陥っても、絶対に水着を見る。鋼の意思が悩める親友を動かしたのである。今・・・夏が始まる!上手くいくかどうかはさておき。

そんなショウちゃん、限定アロハでいやあもう色んな意味でブッ飛んでる!スキルの超絶火力はもはや周知のことと思うし、これを主人公の友人キャラ(男性)に握らせたの、かなり力強いなって思ったりもした。ルイリーズやサイレンススズカ、クインヴィッド辺りも次世代を感じたけど、いやあ強い。キャラエピの方もナンパはするわ品定めするわ夜の店に繰り出すわで、ここまで真面目にやってきたワーフリライター陣が送る超高解像度低俗猿高校生にタジタジだったわね。おまけにワリを食うのが大抵アルク≒アユムだったのがかわいそうで好き。

あとシーースルーーー!上のショウちゃんの袖口が半透明生地になってるの、一体どうなってるのさ!ちょっといつかワーフリの癖(へき)を感じる部分をウワッと記事にしたいんだけど、それにしてもこれは性的すぎるでしょうよ!ワーフリイラストレーター陣、悪魔めいた手腕で「ここは大丈夫でしょ…」っつって少しずつ透明パーツ増やしてってるもん!!!ディアとか!フラフィとか!!!

上でワリを食うのがアユムだって言ったけど、アユムのかつて存在したありのままを、無意識にでも出力させて観測してみせるの、やっぱし振り回し系ショウタというキャラクターにしか出来ないよなあって思った。エピ3で彼のアユム評と星見の街勢のアルク評とが乖離してみせたシーンとか本当にこっちの胃が痛くなったもん。キャラが歩いてるって感じのする、自然な言葉選びがブスッと刺さったよね。好き。

水着第2弾キャラ

一体だれなんだ…!?

追記

こういう運営発の情報出し、夏の醍醐味って感じがしますね?

全体的な話

ここまでがキャラクターそれぞれに関する感想。ここからはその他、全体的に思ったことをつらつらと書いていく。増えるかもしれないし、そのままかもしれない。

主体的な人間性は信頼できるよねって話

特にユナのエピ1やピシカのエピ2に関して。ワーフリは全体的にバランスを取るのが上手いなあと率直に感じた。夏だ海だ水着だってなるとどうしても性愛とかエロスな文脈で語られがちで、個人的にはそれも本能的だから止むなし、えっちなのは良い文明よねと思いつつ、どこか他者への侵害性があるそういった風潮があまり得意でなかったんだけど、今回の第一弾で登場した3人が、女性性に関して三者三様な立ち位置を示しているように感じてとっても良かったなあ。思った順に書いていきます。ちなみに私自身は非常に雑食なタチで、大抵のことはオッケーな性分です。

パルフェ「」

パルフェは「ガッツリ受け入れて利用する」タイプ。恒常の方でも体当たりに話を詰めてってたしパルペブラの冒険者ってそういう感じなのか、それとも当人の気質なのか。当人の恋の試食と称して男を釣ってくるとか言っちゃうし、かなりロジカルに逢瀬の相手を選定してるし、それを〝青春〟と言ってのけては凄まじく切り込んでいる。ユナも乗っかって安全圏がどうとか言っちゃっててピシカはそれを受けてタジタジだし、一方でショウターアユムの会話をナマモノだからと止めに掛かったのもパルフェとユナなので、色んな意味で大人だ。自分の身体も含めて自分だと理解して、それをツールとして行使できるドライな個を感じて良かった。

ピシカは「発展途上で手探りで掴みつつある」感じ。そもそも恋って何?から始まり、妄想力はたくましく、しかしその先のことには目をつぶるタイプ。うーん確かにイナホ型。悪いことは悪いと言えるけど、どうして悪いかは詰めきれない。目的は変わらず「みんなと笑顔になりたい」だから親愛に着地してしまうのを見て、そのまま純粋無垢であってくれと願ってしまう。侵害を知らないままに良い環境で生きてきたって感じるし、ワーフリという無法地帯にあってそのような在り方が許されるのは本当に感動的。可愛いものをどうにかしたくなる心理をキュートアグレッションとか言うけどそういうのを誘因する節はありつつ、それを何者にも害させずそのままに存在させようって気概を感じた。

対して「毅然と割り切り対応する」ユナ。色々わきまえ飲み込んだ上で真っ直ぐに言葉を返しているし、社会の側もそれをちゃんと後援してるという構造を描いていること自体が凄まじく助かった。「獣人だからどうした」「女の子だから何なんだ」という、属性云々じゃなくて誰かを一人の個として見ようよという正しくリベラルな姿勢をセリフとして拝めて、とても良かった。上では結構言ったけどショウタも援護射撃しててえらいぞ!ってなった。自分自身に対するものに関しては笑って受け入れてるように見えるけど、きっと過去にはつらい思いをしたこともあるだろうし、だからこそ〝師匠〟の元では、あるいは今の仲間たちの中では自由に在ってほしいと心から願ってしまった。ユナが明日もそこで笑っていることこそが何よりの福音だよ。

主体性とは

大事なのは、そこに主体性が描かれることだと思う。これを足蹴に侵害しようとしたチャラ男はノータイムでユナに蹴飛ばされるし、ショウタのやんちゃは「そういう所だぞ」と咎められる。一方的にやられっ放しの状態はゲームのテーマ的にも作れないにしても、ピシカのように純粋な状態を維持したり、性的であることを肯定したり、一方で侵害を否定したりと、ここまでキッパリと色を付けて表現してくれてるのは本当に助かるとしか言いようがない。思えばシウエだって教えによるチグル=婚姻に対して疑問を持つところも汲み取られていたし、既存の社会構造を分析してやろうという考えが底通しているのかもしれない。インタビュー記事とかあとで読み直そう。

しかしじゃあこのまま男性は透明になっちまうのか、アルクは〝無〟に近づいていくままで良いのかって話も当然あってしかるべきだけど、個人的には属性を語りつくそうとバランスを取っていくと、かえって個々のキャラ性が薄れて純粋な〝個〟が浮かび上がっていくんだと思ってる。パルフェは男性を非常に記号的に扱ってたし、ユナが語ったのは「〇〇だから」という属性の否定だった。男がとか女がとか、そういう扱い自体が薄れてフラットになった状態が、遠い所に消失点的に置かれてるんだと思う。

もちろん記号や象徴が全く使えない世界は窮屈だし、ソシャゲという市場主義的な媒体の性質上非常に難しい話だけど、そういうある種究極な地平が一瞬でも垣間見えるエピソード群は、本当に健康に良いと感じる。思えば女性to女性の親愛や恋愛をかねてから丁寧に扱ってくれてたりもするし、男女の役割をひっくり返したり曖昧にするようなキャラも何人もいるし、その辺りの垣根を反復横跳びしながらこれからも良いストーリーやキャラクターを作ってってほしいなあと思いました。

イベント雑記

7月29日より新たなストーリーイベント「ブルーサニースマイル」の開催を予定しております。

大海の果て、閑静なフロート「マイナーズフロント」を舞台に灯台で出会った少女「エコー」と繰り広げられる、アルクたちと少女の爽やかな夏の出会いの物語となっております。

楽しみですねえ!第一弾キャラには上のイベント読まないと開かないよ的な要素があったので、そういう意味でも待ち遠しい話です。

おわりに

とりあえずここまで。追加が来たら逐一書いていきます。冒頭で書いた通り、考えたことを言語にしてまとめるのは、大変だけど楽しいことなのです。

過去の水着イベントについて絡めて語った記事が下にあるので、ぜひ読んでいってください。大昔に書いたものですが、きっと面白いはずです。

jimmy9609.hatenablog.com

第1回の方、ゴールドレークが掘れる方。

jimmy9609.hatenablog.com

第2回の方、シウエがゴロゴロした方。

おわり。ご新規さんも古参勢も、引き続きワーフリを楽しんでいこうね!